情報提供:株式会社フィスコプレイス

新政権誕生を評価して日経平均は年初来高値を更新したが、その後は調整色を強めてしまった。これまで反発、反落を日々繰り返していた日経平均は「続落」で取引を終了しており、保ち合いを下放れる格好となっている。円相場が一時91円台に突入したほか、米ファンドの破たん観測、米銀の不良債権問題から警戒感が強まった。また、上海市場の急落、その後の反転に対する限定的な反応などで次第に様子見ムードを強めている。レーバーデーを控えていたことから、海外勢のオーダー自体も減少傾向にあり、こう着感の強い相場展開は意識されていたとは言え、市場心理は急速に悪化してきている。

さて、市場のムードは一気に落ち込んだわけだが、日経平均は辛うじて8月安値水準で踏ん張りをみせている。9/4の米国市場は雇用統計の内容が予想ほど悪くなかったとして上昇しており、タイミング的にはちょうど良いところでのリバウンドが観測されそう。ただ、現状レベルで底打ちとみる向きは少なく、目先的には週足の一目均衡表の転換線が位置する9850円辺りが意識されている。そのため、いったんは1万円割れなど、もう一段の調整がないと押し目買い意識は強まりづらいというところであろう。米レーバーデー明け後に海外資金の流入が期待されるが、9/11には先物・オプションSQを控えている。全体としては、SQに絡む商いが中心か。上値追いには慎重になりやすい地合いであるため、物色としては材料株中心にならざるを得ない状況であろう。

テーマ銘柄については、次世代電池、太陽光発電などに一服感が出ているなか、LED、タッチパネル、スマートグリッド、クロマグロ、新型インフルエンザ(マスク→薬品→医療機器→食品(食糧備蓄・健康管理))などの循環物色が観測されている。出遅れ感の出ている銘柄や調整一巡感の出ている銘柄については、見直しの動きがあろう。次第に9月期末の権利取りの動きや10月2日に開催地が決定するオリンピック関連銘柄への注目も高まることも考えられる。

また、9月のパフォーマンスの悪さ、需給・外部要因などから海外勢の資金流入は期待しづらいとの見方があるが、政治改革による期待感から買い意欲はあると考えられる。2016年のオリンピック開催地に東京が決まるようであれば、インパクトは大きいと考えられる。政治改革と併せてトレンドが出るとなると、10月に入った辺りからとなりそうであり、それまではテーマ銘柄での循環物色とみておきたい。そのほか、シーボン<4926>、SHO-BI<7819>の2社のIPOが予定されている。両社とも1単元株は100株であるが、SHO-BIなどは参加しやすい価格でもあり、早い段階で初値が決まるようだと値幅取り狙いの資金が集中しやすいであろう。

経済指標では、月例経済報告が「厳しい状況にあるものの、このところ持ち直しの動きがみられる」との見方を据え置く。7月の景気動向指数(9日)、7月の機械受注(10日)も予定されているが、機械受注は6月の反動から前月比3.5%減と予想されている。また、11日の4-6月GDP二次速報は横ばいもしくは下方修正されるとの見方がされており、悪化は織り込み済みとなっている。

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