今年最初の取引となる大発会を迎えた4日の東京株式市場は、外国為替相場が円安に振れたことを好感し、電機など輸出関連株を中心に買い注文が先行。日経平均株価は一時、140円を上回る上昇となった。午前の終値は、前年の終値ベースの最高値(1万639円71銭)を上回る前年末終値比122円97銭高の1万669円41銭。TOPIX(東証株価指数)は10.04ポイント高の917.63だった。
東京証券取引所では4日から、新しい売買システム「アローヘッド」が稼働。これに伴い同日から午後の取引が行われる。注文処理速度を海外の主要取引所並みに高速化したのが特徴で、東証の斉藤惇社長は大発会のセレモニーで「世界のどの市場とも互角に戦えるようになり、世界の金融センターの地位を確立する」とあいさつした。
09年の東京株式市場は、世界同時不況で日経平均が3月にバブル崩壊後最安値(7054円)を付けたが、世界の主要国が相次いで経済対策を発動したことなどを安心材料に、春以降上昇に転じた。
しかし、民主党連立政権の経済政策の不透明感などから秋以降は伸び悩み、東証の売買代金は中国の上海証券取引所を下回った。新システム稼働による市場活性化への期待は大きく、午前の株価上昇について市場関係者は「システムが順調に稼働した安心感も背景にある」(大手証券)とみている。
取引開始に先立って行われた大発会では、晴れ着姿の新成人らが鐘を鳴らして取引活性化を祈願した。